【全5話・完結】最高の銀テープと俺たちの絆

【全5話・完結】最高の銀テープと俺たちの絆 の挿絵

「俺たちの愛を、こんな奴に汚されてたまるかぁぁぁ!!」
深夜の秋葉原の路地裏、俺とタクヤ、そして変装した推し本人のZEROさんの三人で、窃盗犯を追い詰めた。犯人は俺たちの熱量と、ZEROさんの眼力(+俺の重すぎる痛バの一撃)に恐れをなしたのか、バッグを放り出して脱兎のごとく逃げて行った。無事に奪還したバッグの中身は、明日のライブで解禁される限定缶バッジの金型と、ファンへの感謝が詰まった「スペシャル銀テープ」の原本だった。

「サンキュー、イッチ、タクヤ。お前たちのおかげで、明日のステージが守られた」
ZEROさんはそう言って、俺たち二人の肩を強く抱きしめた。推しに肩を組まれているという極限状態に脳みそが沸騰しそうだったが、それ以上に「推しの力になれた」という誇りで胸がいっぱいだった。俺たちは恋愛感情とかそういうんじゃなく、完全に「同じバンドを愛し、守り抜いた戦友」になったのだ。

翌日。超満員のドーム球場。俺とタクヤは、お互いに過去最高の痛バを背負い、連番で客席に立っていた。周りのファンからも「その痛バすごいですね!」と声をかけられ、俺たちはドヤ顔で語り合った。
そしてライブ終盤、大ヒット曲のサビとともに爆破音と共に舞い散ったのは、あの夜守り抜いたスペシャル銀テープだった。そこに印字されていたメッセージを見て、俺とタクヤは号泣した。
『最高の戦友(お前たち)へ。愛を込めて。ZERO』

見上げると、ステージ上のZEROさんが俺たちの座席の方を指差し、不敵にニヤリと笑った気がした。
「イッチ、俺たち、これからもずっと一緒にルナ・エクリプスを推し続けような!」
「当たり前だろタクヤ!来週の地方遠征も痛バ全開で行くぞ!」
男二人の推し活は、これからも熱く、激しく続いていく。俺たちの絆は、どんな限定グッズよりも眩しく輝いているんだ。完!

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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