【全5話・完結】まさかのノイズ星人と最高の終演後宴会
個室の扉を開けた瞬間、俺の時が止まった。
「あ、タカさん? 遅いよー、待ちくたびれたじゃん!」
そこに座ってビールを煽っていたのは、なんと俺の部屋の『隣の部屋の住人』であり、近所のコンビニで深夜バイトをしてる学生のレオンだった。
「え……えええ!? ノイズ星人って、お前だったの!?」
俺が絶叫すると、レオンはニカッと笑って「そうだよ! ずっと言いたかったんだけど、直接会って驚かせようと思ってさ!」と胸を張った。
いつもコンビニで「温めますかー?」ってだるそうに接客してるあの兄ちゃんが、SNSで10年も一緒に熱くステラ・ノイズ語りをしていた伝説の古参フォロワー『ノイズ星人』だったのだ。
さらに驚いたことに、レオンの痛バに付いている超激レアな初期缶バッジを見て、俺たちは大爆笑した。数年前、俺がメルカリで落札し損ねたやつを買い取ったのが、まさかのレオンだったというオチまで発覚。
「ていうかタカさん、壁越しにいつもステノイの曲聴こえてたから薄々気づいてたでしょ?」
「気づくか! どんだけ世界狭いんだよ!」
そこへ、遅れて山口部長も合流。最初は「会社の鬼上司」と「隣の部屋のコンビニ店員」というカオスな組み合わせに緊張したが、共通の推しがいるオタクに立場なんて関係なかった。
「部長、タカシの復帰シーンヤバかったすね!」「だろ!? あそこは涙なしには見られん!」と、世代を超えて居酒屋で熱弁を振るう俺たち。
会社の鬼上司が実は同担の熱狂的ファンで、長年の神フォロワーがまさかの隣人。
俺のオタク人生、波乱万丈すぎるだろ。でも、一人で画面に向かって熱狂していたあの頃より、今のほうが100倍楽しい。
恋愛なんて甘酸っぱいイベントは一切起きなかったが、最高の推しと、最高の仲間に恵まれた。
「よーし、次は冬ツアー全通だな!」という部長の宣言に、俺とレオンは笑顔で乾杯した。俺たちの推し活は、まだまだ終わらない!
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。