【全5話・第3話】鬼頭課長と決行する極秘参戦計画

【全5話・第3話】鬼頭課長と決行する極秘参戦計画 の挿絵

「……おいタカ、次の週末の追加公演、当然行くんだろうな?」会議室のドアを閉めた瞬間、鬼頭課長が鋭い眼光でそう切り出してきた。
普段の「売上目標未達だぞ」の低音ボイスそのままに発せられたのは、なんと「メテオ・ストライク」の追加公演の確認だった。俺は蛇に睨まれた蛙状態で「は、はい! ファンクラブ先行で奇跡的にチケット確保できました!」と直立不動で答えた。

すると課長は深く溜め息をつき、自らのデスクの引き出しから1枚のチケットを取り出した。「……実は俺も当選した。だが、席が2階のアリーナ後方だ。お前は?」「あ、俺はアリーナ前方Aブロックの……」「なにッ!?」課長がガタッと立ち上がり、俺にじりじりと詰め寄ってくる。「お前、REOのフライング演出が間近で見られる神席じゃないか……!」
普段なら「報告書出し直し」と怒鳴り散らす厳格な上司が、今はただの「チケ運に恵まれなかった同担」として俺を血眼で見つめている。この状況、カオスすぎるだろ。

「タカ、お願いだ。会場までの車は俺が出す。物販の早朝並びも俺が交代で並んでやる。だから……終演後、あの神席からの視界がどうだったか、酒を飲みながら詳しく教えてくれ……!」まさかの課長からの頭下げ&完全車出し・物販協力の提案。鬼上司が、推し活の最強の協力者に爆誕した瞬間だった。
こうして俺と課長は「職場の鬼上司と部下」から「メテオ参戦用極秘同盟」へと関係を偽装(?)し、週末のライブに向けてバディを組むことになったのだ。

そして迎えたライブ当日。課長のピカピカの高級セダンで会場の駐車場に到着した俺たち。車内で戦術会議を終え、二人で痛バとラバーストラップを装着して物販列に向かおうとしたその時、背後から聞き覚えのある声が響いた。
「あ、あれ? タカ先輩……と、鬼頭課長……!?」
振り向くとそこには、うちの部署の新人女子・後輩のゆいが、全身メテオの参戦服に身を包んで立っていた――。

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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