【全5話・第4話】まさかの職場バレ!?秘密結社が崩壊する5秒前

【全5話・第4話】まさかの職場バレ!?秘密結社が崩壊する5秒前 の挿絵

「……タカ先輩? それに、鬼頭課長……ですよね……?」
後輩のゆいの声が、静まり返ったライブ会場の駐車場にむなしく響き渡った。マジで終わった。俺の社畜人生、ここで完結。俺の手には推しの顔面が敷き詰められた痛バッグ、そして隣には、普段職場では鬼と恐れられる鬼頭課長が、同じく全身『メテオ・ストライク』の公式グッズに身を包んで仁王立ちしている。

「ち、ちがうんだゆいちゃん! これは高度な視覚的ハラスメント防止策であってだな……!」と血迷った弁明をしようとした俺を、課長が手で制した。課長、マジですか。自首する気ですか。
しかし、課長はフッと不敵な笑みを浮かべ、サングラスをクイッと上げた。「後藤(ゆい)、お前も……『メテオ派』だったか」
「えっ……あ、はい! ていうか、課長それ、限定100個の初期ラバーバンド!? タカ先輩の痛バ、缶バッジの配置神すぎませんか!?」
まさかの展開だった。ゆいが目を輝かせながら取り出したのは、俺たちの数倍ヤバい、超本格的な痛リュックだったのだ。なんとゆいも、メテオの古参ファンだったらしい。
「なーんだ! 同士じゃん!」と一気に距離が縮まり、俺たちは三人で最高のライブを満喫した。課長がサビで全力のヘドバンを繰り出し、ゆいが銀テープを鮮やかにキャッチする光景は、職場のストレスを全て吹き飛ばすほどの爽快感だった。

ライブ終了後、最高の余韻に浸りながらファミレスで打ち上げを開催。「明日からの業務もこのチームワークで乗り切りましょう!」なんて熱い絆が芽生え、俺たちの秘密同盟は最高の形で拡大した……はずだった。
そう、その翌日の出社日までは。

「タカ、ちょっと来い」
朝一番、課長に呼ばれて会議室に入ると、そこには青ざめた顔のゆいと、厳めしい顔をした部長が座っていた。デスクの上には、一枚のプリントアウトされた写真。
「三人とも……これはどういうことだ? 昨日のSNSで『激レアグッズを大量買い占めする怪しい三人組』として拡散されているぞ」
部長が指さした画面には、バッチリ俺たちの後ろ姿が映し出されていた。しかも、話はそれだけで終わらなかったのだ――。

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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