【全5話・完結】拡散された写真と部長の衝撃の真実

【全5話・完結】拡散された写真と部長の衝撃の真実 の挿絵

「……おいタカ、これお前らか?」血の気が引くとはまさにこのことだ。部長のパソコン画面には、俺と佐藤、そしてゆいちゃんの3人が、両手に山ほどの限定缶バッジと痛バッグを抱えて爆笑している写真がバッチリ映し出されていた。

「す、すみません部長!ですが買い占めなんて滅相もないです!始発から並んで、ちゃんと限度数の中で買っただけで……!」俺は必死に頭を下げた。佐藤もゆいちゃんも青ざめた顔で直立不動になっている。SNSでの「買い占め悪質オタク」という誤解の拡散。会社にまで迷惑をかけたとなれば、最悪減給か処分か……。俺の推し活人生、ここで終了か?

しかし、しばらくの沈黙の後、部長から発せられたのは予想外すぎる言葉だった。
「……なんだ、やっぱり限定ラバーストラップ、完売してたのはお前らのせいか」
「え?」
俺たちがポカンとしていると、部長は深いため息をつき、デスクの鍵付き引き出しをガチャリと開けた。そこから取り出されたのは……なんと、使い込まれた『メテオ・ストライク』の公式マフラータオルと、自作らしき重厚な痛バッグだった!?

「ぶ、部長……!?」「実はな、俺も結成当初からのメテオ派なんだよ。あの日の物販、俺も後ろの列に並んでたんだが、目の前で限定ラバストが売り切れてな……悔しくてSNS見てたら、見覚えのある社員が写ってる写真が流れてきたってワケだ」
まさかの展開に、俺たち3人は開いた口が塞がらない。あの厳格で仏頂面の部長が、俺たちと同じ「メテオ派」の同志だったなんて!

「誤解の拡散については、俺が公式ファンクラブのコネを使って元の投稿者に連絡し、デマだって訂正させておいたから安心しろ。だがな……」部長はメガネをクイッと上げた。「会社に内緒で参戦していた罰として、次回のドームツアーのチケット連番確保、そして限定グッズの代理購入を命じる!いいな!」「「「はいっ!!喜んで!!!」」」

誤解も無事に解け、まさかの「部長」という超強力な推し活仲間が増えた俺たち。職場での会話には密かに暗号のようなメテオ用語が混ざるようになり、業務効率もなぜか爆上がりした。推し活が繋いだ意外すぎる縁。人生、どこに最高の同志が転がっているか分からないから、オタクはやめられないのだ!

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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