【全5話・第1話】推しの限定缶バッジが爆死した話
人生、賭けに出なきゃいけない瞬間ってのがある。俺にとってそれは今日の物販だった。 俺の名は「タカ」。しがない20代サラリーマンだが、裏の顔は4人組ロックバ...
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人生、賭けに出なきゃいけない瞬間ってのがある。俺にとってそれは今日の物販だった。 俺の名は「タカ」。しがない20代サラリーマンだが、裏の顔は4人組ロックバ...
腕の筋肉が完全に千切れそうだった。 全身タイツ越しに噴き出す滝のような汗、限界を迎えた両腕。だけど、ミヤビさんとケンジさんの「耐えろ!」という気迫が伝わっ...
ステージから見下ろす2000人のペンライトの海は、息を呑むほど綺麗だった。全身黒タイツの俺たちを見て、一瞬ざわついた客席も、ギターの爆音とともに「演出か!...
おいおいおい、話が違いすぎるだろ……。 スタッフさんから「これに着替えてスタンバイしてください!」と笑顔で手渡されたのは、漆黒の布きれ。広げてみたら、頭か...
スマホの画面を二度見、いや五度見した。 SNSに届いた見知らぬアカウントからのDM。そこには衝撃の文面が記されていた。 『突然すみません。A1番引かれたタ...
おい聞いてくれ。人生で初めて手に入れた「最前列確定のチケット」が、今まさに俺の部屋のデスクで不気味な光を放っている。 スペックを軽く晒しておくと、俺は都内...
「お前、俺の妹に何手出してんだコラぁぁぁ!!!」 深夜のライブ会場裏に、さっきまで万単位の観客を狂乱させていたハルさんのデスボイスが響き渡った。マジで威圧...
「本日の公演をもって、ルミナス・ディザスターは……解散します」 ヴォーカルのハルの一言がドーム全体に響き渡った瞬間、僕の時が止まった。悲鳴と叫び声で揺れる...
「え、ちょっと待って……ポチさん、そのチケット……!」ミナちゃんの顔から完全に血の気が引いていた。俺のスマホ画面を凝視したまま、固まっている。 何かやらか...
「あの……それ、どこで手に入れました……?」 目の前の参戦服女子――レースとリボンで完璧に固めた推し活女子が、血走った目で俺の痛バッグを凝視している。正直...