【全5話・第1話】推しの限定缶バッジが運命を狂わせた話
人生最大の賭けに勝った。そう思った瞬間が、俺の人生のピークだったのかもしれない。 俺、通称「ポチ」。30代手前の冴えないサラリーマンだが、週末は最推しロッ...
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人生最大の賭けに勝った。そう思った瞬間が、俺の人生のピークだったのかもしれない。 俺、通称「ポチ」。30代手前の冴えないサラリーマンだが、週末は最推しロッ...
大河内さんの十数万円はするであろう高級スーツのズボンが、膝から股下にかけて豪快に破けた。終わった。俺の人生、ここで完全終了だ。 絶望で白目をむく俺の横で、...
提示された金額を見て、俺の視界は完全にホワイトアウトした。 「ひ、ひゃくはちじゅう万……!?」 俺の叫び声が、終演後の静まり返った楽屋裏の廊下に空しく響き...
「お前、コレどう落とし前つける気だ?」駅のホームに、重低音の怒号が響き渡った。 俺、タカシ。開演まであと20分。目の前には破れた高級バーバリーのコートと、...
「おい貴様、俺のチェスターコートに何してくれてんだ…?」最寄り駅のホームに降り立った瞬間、氷点下の声が俺の鼓膜を刺した。 強面サラリーマンのおじさんの顔は...
お前ら聞いてくれ。今日、俺の人生最大の晴れ舞台になるはずだったんだ。それが今、車内の冷たい視線に晒されながら、スマホを握りしめてこれを書き込んでいる。 俺...
運命のドーム公演当日、空はこれ以上ないほどの快晴!僕の手元には、黒崎さんのために徹夜で仕上げた『アルカディア・ビート』限定缶バッジ100個乗せの超重量級・...
「なぁ、本当にこれで大丈夫か……? 派手すぎないか?」 我が家の狭いリビングで、大の大人が二人、真剣な顔で1つのバッグを覗き込んでいる。コワモテの隣人・黒...
「命がけの依頼」って、おいおい、深夜のマンションの廊下で聞くセリフじゃないぞ。俺は一瞬、裏社会のヤバい取引に巻き込まれたのかと本気で身構えた。 黒崎さんは...
「おい嘘だろ、その手にあるのって、去年の冬ツアーで限定30個しか流通しなかった『アビト・幻のラバーロゴチャーム』じゃねえか……!?」 深夜のアパートの廊下...